▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。 本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ ります。 本脆弱性は、フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)の機能が有効に設 定されている9.0.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が影響を受けること から、対象が広範囲にわたっています。該当するBIND 9.xを利用しているユー ザーは関連情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を速やかに取る ことを強く推奨します。
BIND 9.xにはDNS応答の処理に不具合があり、DNAMEレコードがanswer secionに含まれている応答を処理する際、namedが異常終了を起こす障害が 発生します(*1)。 (*1)本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、resolver.cまたはdb.cで assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力され ます。
本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、 本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です。
本脆弱性は、BIND 9.0.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が該当します。 ・9.11系列:9.11.0 ・9.10系列:9.10.0~9.10.4-P3 ・9.9系列:9.9.0~9.9.9-P3 ・上記以外の系列:9.0.0~9.8.x
ISCでは、本脆弱性のリスクは主にフルリゾルバーにおけるものであり、権 威DNSサーバーではわずか(minimal)であると発表しています。 なお、ISCでは9.8以前の系列のBIND 9のサポートを終了しており、これらの バージョンに対するセキュリティパッチはリリースしないと発表しています。
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。 本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。 (*2)CVE - CVE-2016-8864 <https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2016-8864>
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
RedHat5,CentOS5 bind-chroot-9.3.6-25.P1.el5_11.11.i386.rpm(32bit) bind-chroot-9.3.6-25.P1.el5_11.11.x86_64.rpm(64bit)
RedHat5,CentOS5 (bind97系) bind97-9.7.0-21.P2.el5_11.9.i386.rpm(32bit) bind97-9.7.0-21.P2.el5_11.9.x86_64.rpm(64bit)
Rethat6/CentOS6 bind-9.8.2-0.47.rc1.el6_8.3.i686.rpm(32bit) bind-9.8.2-0.47.rc1.el6_8.3.x86_64.rpm(64bit)
Ubuntu 12.04 LTS 1:9.8.1.dfsg.P1-4ubuntu0.19
Ubuntu 14.04 LTS 1:9.9.5.dfsg-3ubuntu0.10
Ubuntu 16.04 LTS 1:9.10.3.dfsg.P4-8ubuntu1.2
Ubuntu 16.10 1:9.10.3.dfsg.P4-10.1ubuntu1.1
https://jprs.jp/tech/security/2016-11-02-bind9-vuln-dname.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-8864.html